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2009年3月

墨廼江酒造 墨廼江 特別純米

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上立ち香は穏やかな米の香り。口に含んだ瞬間、舌の中ほどをきゅっ、と締める生酒様の味わいがある。このあたりが食中酒として計算されているところなのだろうなあ…と、ナイトキャップ派の私は想像するのであった。

上でいう生酒様の味わいをもう少しほぐしてみたかったので、常温一合にクラッシュアイスをひとつかみ入れて呑んでみると、ちょうどの按配。

ちなみに燗をつけると、味わいのコントラストがよりくっきりする方向に変化する。

墨廼江酒造 墨廼江 特別純米
都道府県:宮城県
原料米:五百万石
精米歩合:60%
日本酒度:+4.0 酸度:1.5
アルコール度数:15.0~16.0
使用酵母 宮城酵母

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福光屋 加賀鳶 純米吟醸

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猪口に鼻を近づけ揺すってみると、涼やかで幽かな吟醸香が立ちのぼる。口に含んだ瞬間、鼻腔に優しい吟醸香が押し寄せ、同時に甘さと酸っぱさが混然一体となった味わい(割合は甘さ9:酸っぱさ1)が上あごのあたりをしっとりと濡らし、すっと胃の腑へ落ちてゆく。そのあと一拍もおかないタイミングで舌先をぴりりと辛さが襲い、味の記憶は根こそぎさらわれてしまうのだった。

味わいから受ける印象は淡麗辛口なのだが、それでいて外見がうっすらと黄金色であるところが心憎い。この酒でいう「淡麗」とは、炭素濾過を用いた見せかけのものではない、ということだ。

いやあしかし、導入部からエンディングまで一気に読ませる、上質なミステリー小説のような酒だ。それも長編ではなく短編小説なので「あと一編読んで、寝よう」「…いや、もう一遍読んだら…」的な深みにハマらないよう注意する必要はあるかもしれない。

福光屋 加賀鳶 純米吟醸
都道府県:石川県
原料米:山田錦(兵庫県多可郡中区産)、金紋錦(長野県下高井郡木島平産)
精米歩合:55%
日本酒度:+4.0 酸度:1.4
アルコール度数:16.0
酵母:自社酵母

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三井の寿 井上合名会社 山廃純米穀良都

大正~昭和初期にかけて筑後地方の酒造りに使用されていた酒米「穀良都」。栽培の難しさから戦後は栽培が途絶え、幻の酒米となっていた。しかし平成八年、九州大農学部より穀良都の種籾12粒を譲り受けた醸造元は、四年の歳月をかけて一仕込み分の収穫を得ることに成功した。その穀良都を用い、当時の技術に忠実に復刻醸造されたのが、この酒である。

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某雑誌に「燗に向く酒」として取り上げられているところ、まずは常温から味わってみる。くすんだ印象の微かな香ばしさと、米の落ち着いた味わいを感じる。さて、次は燗で…と台所に立つ。

あれ?気のせいか軽く酔ってないか俺。おいおい、まだ半合しか呑んでないのに。

…不思議に思いつつ、続いて上燗の熱々を口に運ぶ。ぷはーっ、甘みのあと酸がどわっときて米の味が加わり、それらがいっぺんにどぉーーんと暴れる暴れる。燗を一合ほど呑んだところでよい気持ちに。他の酒より酔うのが明らかに速いぞ。そうか、アルコール度数高いんだきっと…とラベルを確認すると「15度以上16度未満」。うーん、もっとあるように感じるけれどなあ。たぶん、古米を3割しか削っていない→酒中に含まれる諸々成分が多い→酔い中枢にHit!ってことなのかもしれない。

で、つまみ無しで日本酒を呑む私の意見。この酒の燗は、味が強すぎるように思える。そこで、一合入りの利き猪口に8分目ほど注いだところへ、細かめの氷をざっくり一掴み投入して呑んでみた。

う、う、美味い!!!!!!

味の基調は、ほのかな甘み。燗で爆発した味の多さは氷の向こうにたゆたうだけで、決してこちら側にやってこず、強い米の香りを残して胃の腑に落ちてゆく。邪道なのは承知のうえで、私にとっては夏向きの酒、と言い切ってしまおう。今年の夏は山廃オン・ザ・ロック。

三井の寿 井上合名会社 山廃純米穀良都
都道府県:福岡県
原料米:穀良都100%
精米歩合:70%
日本酒度:+1.0 酸度:1.7
アルコール度数:15.0~16.0
酵母:自社酵母(7号系)

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ファッキン英語

小学校のとき、学校の用意した国語辞典で「辞書の引き方」を学んだ。クラス人数分の辞書が授業前に配布され、終われば回収される。つまり、多くの生徒に使い回された辞書をランダムに手にしていたわけだが、おおよそ3割の確率で”当たり”を引くことがあった。”当たり”とは【ちんちん】とか【ちくび】とか【まんこう】といった言葉の頁をめくるとばっちり印がついている辞書を指す。さらに”当たり”のうちの1割は”大当たり”と呼ばれる辞書で、【ちんちん】の頁に「→580ぺーじをみろ」と書いてあり、580頁をめくるとそこは【ちくび】の項にぐりぐりと印がついていて、さらに「→795ぺーじをみろ」の指示に従えばそこには【まんこう】…という具合なのであった。先達の偉大な業績に感銘を受けた私が【ちんちん-かもかも】等さらに思いつく限りの言葉を十数語追加して、ラストを

【すけべゑ】

で締める、という新機軸を編み出し伝説となったのは、もう30年も前の話である。しかし長ずるにつけ、それ系の日本語への興味はだんだんと薄らいでしまった。興味の方向が「読む」より「実行する」ほうへシフトしていったからだが、まあそれはおいとくとして、英語ではそれ系の言葉をいまだ偏愛中である。なので、こうした本を見かけると即買いしてしまう。

『第2外国語として学ぶファッキン英語』
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『第2外国語として学ぶファッキン英語 2』

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いずれもスターリング・ジョンソン 著、鈴木智洋・生方孝士 訳

題名から想像されるとおり“fuck” ”shit” “ass”などの言葉-swear wordsの文例集。世界で最も巧みに”fuck”を多用する作家スティーブン・キング御大が早速「Great f*cking book!」と賛辞を寄せていて笑った。

この書籍中、最も感銘を受けた一節を引用してみる。

かつてマーク・トゥエインの妻が、夫の口の悪さ(swear癖)を矯正しようとしたことがありました。夫に向かって長時間にわたり呪いの言葉をまくしたてれば、ふだん自分がどんなにひどいことを口にしているのか自覚するだろうと考えたからです。

妻の毒舌が終わるとトゥエインはこう言ったそうです。

The words are there,my dear,but the music is wanting.
(言葉はあるのにねえ、musicが足りないんだな)

私を含めて人はなぜ、映画「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹に惹かれるのか、その理由の一端を垣間見た気がしましたよええ。

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