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2009年6月

剣菱酒造株式会社 特撰 黒松剣菱

琥珀色の液体を口に含めば、

1.煙たい甘さが流線型にひろがり、
2.舌の中央部にきりり、と辛味をもって収斂し、
3.後口に穀物様の香ばしさが残る

という順に味わいのドラマが展開する。このドラマは「様式」と呼べる域にまで達していて、たとえば「水戸黄門」がいくら回を重ねようとも必ず勧善懲悪で終わるのと同じように、剣菱における上記「1.2.3」は杯を重ねても全く崩れることなく繰り返されるのであった。

ところで、このラベルデザインは格好良すぎますよね。

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水戸黄門が出てきたついででいえば、1話くらい剣菱の文様の刻まれた印籠で「ええいえええい控えおろうぅぅぅ!!」ってやってみても、悪人はひれ伏してしまうような気がするなあ。特に飲兵衛の悪人ならなおさら。(そ、そうか?

剣菱酒造株式会社 特撰 黒松剣菱
都道府県:兵庫県
原料米:山田錦・愛山
精米歩合:70%
日本酒度:+0.5 酸度:1.6
アルコール度数:15.8
使用酵母:剣菱酵母

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加越酒造 酒峰加越(朱ノ吟)

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大吟醸酒らしく、若い梨のような立ち香が漂う。ひとくち含むと、さあっと口中いっぱいに若々しい甘さがひろがり、続いて雷光のごとく塩辛さが押し寄せるものの一瞬でピークを迎え、米由来の甘さと入れ替わって幕が下りる。

味わいの流れがとてもリズミカルで心地よく、キュートな酒です。そうした印象は、「朱の吟」について検索するうちhitしたこの記事、ひいてはこちらのブログの印象にも相通ずるものがあります。面白くて読みふけっちゃいました。

加越酒造 酒峰加越(朱ノ吟)
都道府県:石川県
原料米:山田錦
精米歩合:38%
日本酒度:+4.0 酸度:1.3
アルコール度数:15.0~16.0
使用酵母:協会9号

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株式会社吉田酒造 大吟醸 本流 手取川

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10~15℃が最適です。
5℃以下に冷やしすぎると香りが薄くなり、また若干の苦みが感じられます。

製造元のHPにこう書かれているのを知らず、開栓一杯目はキンキンに冷えたところをぐい、と呑んでしまった。たしかに香りは、あまりにあまりな素っ気なさだった。

けれど、ここから常温に戻ってゆくうち、立ち香に苺の香りが徐々に現れてきた。加えて、後口に藁の香りが漂うようになってくる。カタカナで表現すればフルーティにはじまりアーシー(earthy)に終わる酒、とでもいえそうで、そのギャップがおもしろい。

株式会社吉田酒造 大吟醸 本流 手取川 
都道府県:石川県
原料米:山田錦
精米歩合:40%
日本酒度:+6 酸度:1.0
アルコール度数:15.8
使用酵母:金沢系

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天鷹酒造 有機 純米吟醸 天鷹

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猪口からしずしずと吟醸香が立ち昇る。口に含めば、丸みを帯びた味わいがさっ、と舌の上を流れてゆく。続いて、滋味の余韻とでも呼ぶべき香りが現れるが、儚くもあっという間に消えていった。この後口の短さは、創業時より「辛口でなければ、酒ではない」との言葉を標榜するこの蔵独特のものである。

「有機」であることに徹底して拘ったこの酒から、私は「しん、とした静けさ」を強く感じた。暗騒音が極めて小さい状況においては、僅かな物音でも大きく聞こえるようになる。これと同じ理屈が味わいに現れているような気がしてならない。すなわち「有機」であることの影響は、味わいそのもの(物音)よりも、味わいの背景(暗騒音)にこそ強く現れるのではないか、と思うのだ。

天鷹酒造 有機 純米吟醸 天鷹
都道府県:栃木県
原料米:有機ひとめぼれ
精米歩合:50%
日本酒度:0 酸度:1.7
アルコール度数:15.0
使用酵母:栃木県酵母

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神亀酒造株式会社 ひこ孫 純米

口中に広がる、ややくすんだ甘み。ものすごく鮮やかで、原色をふんだんに使った絵が古びたような味わいがある。

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そして何といっても、この酒の凄さは燗をつけたときの”伸びしろ”である。同じシリーズの純米吟醸では感じられなかったんだけど、何というか…間逆のベクトルを含んで進化する、とでもいえばいいのか。「甘いけど辛く」「濃厚だけど軽く」「鮮やかにくすむ」、みたいな世界を現出させる。

私の購入したぶんには付いていなかったんだけど、なんでも「このお酒は、35歳以上で人生の機微がわかる方におすすめします。」と書かれた”しおり”が存在するんだとか。これ、あながち的外れな言でないと思う。燗での化け具合を見切るには、人の化け具合を見切れる人生経験が必要なのかもしれないからだ。…って、齢40の私は燗酒を口にした瞬間「うおおおっ!ぬぬうっ!」って驚いちゃいましたけどね。

神亀酒造株式会社 ひこ孫 純米
都道府県:埼玉県
原料米:山田錦
精米歩合:55%
日本酒度:+6 酸度:1.6
アルコール度数:15.0~16.0
使用酵母:協会9号

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